核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

シャンタル・ムフ『左派ポピュリズムのために』(明石書店 二〇一九)その1

 山本圭・塩田潤訳。
 この本はいずれ何度も読み、何度も感想を書くことになると思うので、今回は簡単にします。
 まず章立て。

 序論
 1 ポピュリズム・モーメント
 2 サッチャリズムの教訓
 3 民主主義を根源化すること
 4 人民の構築
 結論
 付録
 謝辞
 原注
 訳注
 訳者課題
 索引

 新自由主義(日本では自民党政権ですね。「自由民主主義」という言葉は本書では肯定的に使われているので、ちょっとまぎらわしいですが)と、右派ポピュリズム(大衆運動)の世界的な動きに対抗すべく、左派ポピュリズムの立ち上げを訴える書です。
 左派とはいっても、古いマルクス主義レーニン主義の「叛乱」とは異なることは言及されています。むしろ環境運動やLGBT運動との連帯が強調されています。残念ながら平和運動との連帯は(本書では)論じられていませんでした。
 ネグリ&ハートやランシエールの意見との相違点など、気になるところはまだありますが、またいずれ。