核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

シャンタル・ムフ『左派ポピュリズムのために』(明石書店 二〇一九)その2

 次なる論文の着想を求めて、頭から通読してみました。
 やはり、「左派」を名乗るのは、古ぼけたマルクス・レーニン主義を連想させて、せっかくのお客さんを逃がすことになるんじゃないか、というのが感想です。ムフ自身も110~111ページで弁明を試みてはいますが、十分とは思えません。
 この本も買った価値は十分ありますが、どうせなら未邦訳の『闘技学』(2013)も読みたいものです。同書では「芸術的かつ文化的な実践」が闘技に果たす重要性について言及している(『左派ポピュリズムのために』103ページ)とあればなおさらです。
 ムフのムフたるゆえんは、左派やポピュリズムではなく、「闘技」の人たるところにある。そう私は思っています。