次なる論文の着想を求めて、頭から通読してみました。
やはり、「左派」を名乗るのは、古ぼけたマルクス・レーニン主義を連想させて、せっかくのお客さんを逃がすことになるんじゃないか、というのが感想です。ムフ自身も110~111ページで弁明を試みてはいますが、十分とは思えません。
この本も買った価値は十分ありますが、どうせなら未邦訳の『闘技学』(2013)も読みたいものです。同書では「芸術的かつ文化的な実践」が闘技に果たす重要性について言及している(『左派ポピュリズムのために』103ページ)とあればなおさらです。
ムフのムフたるゆえんは、左派やポピュリズムではなく、「闘技」の人たるところにある。そう私は思っています。