核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

通常兵器の廃絶をためらう福地桜痴

 一八八四(明治一七)年。福地は『東京日日新聞』の社説「欧州ノ侵略主義」で、「文明ハ強兵ヲ云フ」のではなく、「最多量ノ幸福ヲ享有セシムルニ在リ」と、侵略主義を批判していました。しかしその翌日の社説「欧州ノ武備」では、「平和ヲ唱ヘ兵備ヲ廃スルノ説」は国家を亡ぼすことになると、非武装平和主義を批判するのです。

 (以上、山田俊治『福地桜痴』一七一~一七二頁より要約)

 矛盾とは思いません。他国の軍備に脅威を感じることと、自国防衛のための軍備を求めることは。現在、説得力ある代案をもって、日米安保反対・自衛隊廃止を訴える主張がどれだけあるでしょうか。……残念ながら私も含めて。一日も早く、「説得力ある代案」を探し、国家を亡ぼさずに「平和を唱え兵備を廃するの説」を実現したいものです。