核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

塩津誠作「軍備縮小より全廃へ」 その2

 塩津誠作は軍備による平和を「幻想」と断じ、全世界規模の軍備廃絶によってしか平和は来ないと結論しました。当ブログもそこまでは意見を同じくするのですが、問題はその過程です。

 

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 若し軍備を頼める国が、軍備なき他国に対し、無理を強要し、遂に干戈に訴ふる如きことあらば、世界の輿論が承知せぬ。若し兵を以つて臨むものあるも、無抵抗で過ごし、世界人道の殉教者となるのも、不可ではあるまい。兵力を頼んで、横暴を働く国は、何時かは自ら墓穴を掘る。天は永遠に、悪が栄えることを許さぬ。

 (五六~五七頁)

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 ……不可です。「何時かは」では困ります。まして「天」に神頼みするようでは。

 現に2022年2月24日現在、ロシアはウクライナに「無理を強要」しているわけですが、「世界の輿論」はそれを抑止できずにいます。

 塩津の無抵抗論には賛同できませんが、問題の所在だけは明らかになりました。何度も繰り返している事ですが、軍事力によらずして、軍事力を抑止する方法を見つけ出すこと。それが私の研究テーマであり、同時に人類の緊急の課題でもあると考えております。