2022-07-28 田山花袋「一兵卒」 病気で隊から脱落した一兵卒が、戦場にたどりつけずに病死するまでを描いた小説です。もしかしたら、戦争の止め方論の参考になるかと思って読み返したのですが。 「日が暮れても戦争は止まぬ。」 との一節が目についた程度でした。一兵卒が自分の身を呪う場面はあっても、戦争そのものを呪う場面はありませんでした。 日本の自然主義文学は悲惨な現実を暴露するにとどまり、その改善に向かわなかった的な批判はしばしば目にしますが、戦争についてもその論はあてはまるようです。