核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

遅塚麗水「北遊日記」(『山水往来』一九一〇(明治四三)年)

 遅塚麗水という人は、小説家としてよりもむしろ紀行文の大家として知られています。そんな麗水の北海道旅行をつづった文章が見付かりました。

 「北遊日記」の日付は、一九〇七(明治四〇)年九月。村井弦斎と合作した「美少年」(一八九三(明治二六)年)よりはだいぶ後ですが、麗水の北海道観、アイヌ観がわかるのではと読んでみたのですが。

 愛儂(アイノ)を、「可哀の原始的人種」、衰亡に向かいつつある民族として、哀れむ記述があるばかりでした。小説「美少年」についての記述もありませんでした。