核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

スピヴァク『ポストコロニアル理性批判』も読む予定

 『サバルタンは語ることができるか』での結論に、新たに修正が加えられているようです。AMAZONを見たら5ケタ越えなので、買わずに国会図書館で読むことになりますが。

 現在の私の意見は

 「サバルタンは語ることができる。自称知識人がでしゃばらなければ」

 です。スピヴァク自身も気づいたようですが、「サバルタンは語ることができない」という意見自体がすでに抑圧的、上から目線なのです。『80日間世界一周』でサティにされかけてたヒロインのアウダだって、「救っていただいて感謝します」ぐらいのことは語っています。それが本音とは限らないし、もしかしたら英国紳士の妻という地位を得て文明社会に食い込むための戦術でさえあるかも知れませんが、語れないってことはないでしょう。サバルタンだって事実を語れるし、嘘もつけます。自称知識人と同じように。

 私自身の過去はあまり思い出したくありませんが、博士の学位を得るまでは、それこそサバルタン、最下層といっていい日々を送ってきました。それでも忖度はせず、自分の思うところを語ってきました。大江健三郎原発推進の旗振り役をしていたことを暴いたばっかりにえらい目にも遇いましたが、後悔はしていません。忖度しない勇気さえあれば、誰でも語ることができるのです。