平和主義者がやるべきことは何か、考えてみました。
まず着手すべきは、「過去の戦争を学ぶ」ことでしょう。戦争体験者の実体験を聞きとり、残された資料から戦争を引き起こした責任者について知る。戦争がどのように起き、どのような結果をもたらし、なぜ止められなかったのかをよく考える。
その上で、「現在の戦争を制止する」段階に進むことができそうです。「戦争を抑止する」という、一般的な言い回しを避けて「戦争を制止する」としたのは、「抑止」には軍事力の圧力によって戦争を止める、場合によっては核兵器の脅威によって戦争を止めるという、ニュアンスがつきまとうからです。そうした20世紀以前の思想からは脱却しなければなりません。
日清戦争から太平洋戦争に至る、開戦の詔勅を並べてみると、何とかのひとつおぼえのように、その戦争が「東洋永遠の平和のため」だと主張しています。実際には戦争はほぼ10年おきに起きています。「平和のための戦争」などという美名にまどわされてはなりません。
そして、「未来の戦争を予防する」段階へ。これも困難ですが、現在進行中の戦争を停止するのよりは、少しは容易かも知れません。
私の見るところ、戦争の火種となるのは、独裁と差別です。民主国家どうしが戦争をした例も歴史上にはありますが、独裁国家のほうが戦争を起こしやすく、止めづらいのは確かです。そして他国・他民族への差別意識は、戦争をより起こりやすく、より悲惨なものにします。
現在独裁に向かいつつある民主国家(残念ながら、支持率10%台なのに改憲を強行しようとする、現岸田政権も含みます)に対して、民主的・非暴力的な手続きによって、独裁化を阻止すること。差別をあおりたてて人を惑わす者の、影響力をなくすこと。
……といった見通しを立ててみると、私が今回投稿する予定の論文は、「過去の戦争を学ぶ」段階に位置づけられそうです。いわば基礎工事ではありますが、「現在の戦争を制止」「未来の戦争を予防」につながる論にしたいとの志は持っています。