核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

木下尚江の徳川慶喜論

 明治のもう一人の平和主義小説家、木下尚江も徳川慶喜が内乱を回避しようとしたことを高く評価していました。

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 日本の歴史は多く誤り多し、殊に王政維新史に於て然りとす、予は之に於て一豪傑を見る、そは西郷南洲にあらず、大久保甲東にあらず、木戸松菊にあらず、而してまた岩倉公にあらず、三条公にあらず、当時の敗将徳川慶喜公なり
 一九〇二(明治三五)年六月一日、青年修養会第一回茶話会(於龍雲院) (『修養』四号、一九〇四・六・五) 引用は教文館『木下尚江全集』第二十巻より
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 ・・・手元にコピーはないのですが、尚江は桜痴の『幕府衰亡論』が出る前からこういう論を主張していたはずです。
 戦争に勝った人物は歴史に名が残るけど、戦争を止めた人物の名は残らない。歴史学の抱える問題ではないかと思っています。