ツキジデスの『戦史』を読んでたらねむくなりまして、また更新を休んでしまいました。
いくら私が古代ギリシア好きでも、あそこまで細密だと厳しいです。ちょっと油断すると場面が変わりまして、本筋が何だったか忘れそうになります。いや、私にとっての本筋は民主と平和ですけど。
それに加えて不親切なのは、訳書に年表がついていないこと。せっかく原作者が「戦争の第X年」という画期的な年代表記を提示しているのに。地図は多いけど、エピダムノスの紛争からはじまったのに地図にエピダムノスがのってないとか、不満は残ります。まあ、2012年の現代ならネットで検索という手があります。
なお、私は論文や学術発表にはたいてい関連年表をつけるし、大学院生時代には後輩にもそれをすすめてきました。いや、苦を(1890)いとわずに弦斎デビュー、なんて年代を覚える必要はありませんけど、前後関係を把握するのは大事なのです。
ペリクレスについて書くのはまだ先のことになりそうなので、今回は学位請求論文(これまで博士論文と書いてきましたが、まだなっていませんでした。ならないかも)『明治の平和主義小説』の末尾につけた年表をお届けします。
一八六七(慶応二) 遅塚麗水(金太郎)、静岡に生まれる(~一九四二)
矢野龍渓、朝廷親兵として参戦
一八六九(明治二) 木下尚江(本名同じ)、松本藩(長野県)に生まれる(~一九三七)
一八八九(明治二二)大日本帝国憲法発布
矢野龍渓『報知異聞 浮城物語』(『郵便報知新聞』)
村井弦斎『匿名投書』(『郵便報知新聞』)
遅塚麗水『電話機』(『郵便報知新聞』)
村井弦斎『小説家』(『郵便報知新聞』)
一八九六(明治二九)村井弦斎『日の出島』(『報知新聞』。~一九〇一)
一九〇〇(明治三三)北清事変
一九〇一(明治三四)村井弦斎『釣道楽』(『報知新聞』)
矢野龍渓『新社会』
一九〇三(明治三六)村井弦斎『食道楽』(『報知新聞』)、代表作となる
木下尚江『火の柱』(『毎日新聞』)
木下尚江『良人の自白』(『毎日新聞』。~〇六)
一九〇七(明治四〇)矢野龍渓『不必要』(『毎日電報』)
田山花袋『蒲団』
一九〇八(明治四一)木下尚江『墓場』(『東京毎日新聞』)
一九一四(大正三) 第一次世界大戦(~一八)
一九一七(大正六) 村井弦斎『小松嶋』(『婦人世界』)