木下尚江、矢野龍渓、福地桜痴と並んで、村井弦斎は私にとって重要な作家の一人です。
にも関わらず弦斎についての論文を一本も通せずにいるのは、研究者として忸怩たるものがあります。
いつかはと思っているのですが、今現在の関心事(ムフの闘技的民主主義)とうまく重ならなくて。
大長編『日の出島』の末尾が、「藤原大公爵」なる大物政治家の出現でデウスエクスマキナ的にめでたく片付くところを見ても、弦斎は民主主義には批判的だったのではないかと思います。木下尚江・矢野龍渓・福地桜痴と比べても。そういえば、星亨(実在の政治家)を批判していた箇所もありました。