核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

デカルト著 三木清訳 『省察』(青空文庫 底本は岩波文庫 1933)

 これまで白水社の著作集でデカルトを読んできましたが、『省察』は実は青空文庫に収録されてました。
 
 
 ただ、日本語訳の『省察』の多くと同じく、こちらも本文のみ、反論と答弁はなしとなっております。『省察』は反論と答弁のパートこそ面白い、と考える私としては、今後も白水社版準拠でいこうと思います。
 ただ、その白水社版をもってしても、1642年の第二版にだけ追加された、「第七反論」および答弁、「ディネ師宛の書簡」は訳されておりません。所雄章『人類の知的遺産 32 デカルト』(講談社 1981)によれば、どうも「第七反論」その他は日本語に訳されていないようなので、残念ながら当ブログでは扱わないことにします。
 「かくてデカルトは、『一人ずつ次つぎに相手にして』いたのでは『際限もないであろう』から『この際は断固として彼らをすべてひとまとめに迎え撃とう』」(同書174ページ)とした、なんて紹介を読むとすごく気になりますけど。まあ第一~第六反論だけでも十分にスリリングなので。