核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

森銑三『明治東京逸聞史2』(平凡社 東洋文庫 1969) その3 矢野龍渓

 私はずっと矢野龍渓を「やのりゅうけい」と音読していたのですが、下記の引用文には「やのりょうけい」とふりがなされています。そういう読み方もありなのか、原文をそのまま表記したのか?調べておきます。
 同書255ページ。『時事新報』1907(明治40)年3月1日。


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 時事新報は、実業界に読者を持つ新聞だったせいか、単行本の広告には、それほど目に附くものがない。(略)矢野龍渓(やのりょうけい)の「浮城物語」と「出鱈目の記」との広告があって、「久敷品切の処再版発刊」としている。「浮城物語」などが、未だに読まれていたらしい。
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 …『報知異聞 浮城物語』は1890(明治23)年刊行の海洋冒険小説です。平和主義要素はほぼありませんが、娯楽作品としては一流であり、明治後期まで読まれていてもふしぎはありません。あるいは、南進論がらみでの再ブームでしょうか。