核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

『春秋左氏伝』 その4 左伝癖

 平和会議関係だけ読むつもりだったのですが、じわじわと深みに入りつつあります。
 二千数百年前だというのにこの面白さ。たかだか数十年前に書かれた吉本隆明は、どれ一つとして読むに値しないというのに。
 ただ、編年体年代記形式)ゆえのとっつきにくさはあります。
 『史記』や『三国志』(正史)なんかは紀伝体(列伝形式)でして、劉邦とか曹操の生涯を小説のようにまとめて読めるわけですけど、『春秋』は年表なので、たとえば向戌という一人物の生涯を概観するには向かないわけです(一応、自分なりの向戌伝を作成中ではあります)。
 宮城谷昌光先生あたりが小説『向戌』を書いてくれないものでしょうか。ひとまず同時代の『子産』は読んでみます。前に書いた、「外に大国の脅威があるのにちっとも安定してない小国の例」鄭国の中で、己の理想を貫いた政治家です。