核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

宮城谷昌光『春秋名臣列伝』(文春文庫 2008)より 「宋の楽喜(子罕)」

 楽喜(がくき)、字は子罕(しかん)。耳慣れない名前かもしれません。向戌(しょうじゅつ)の平和会議に物言いをつけたあの子罕です。
 財物を貪らないことをもって宝とする人で、美玉を献上しにきた宋人に、玉をみがいて売った富をあたえて帰してやった、という挿話でも有名。この話は漢文の参考書か何かで読んだ記憶があります。
 宮城谷先生が向戌ではなく子罕に一章を割いたのは、そうした「人格のすがすがしさ」を感じさせるからなのでしょう。平和主義者だけど腹黒い向戌と違って。
 もちろん、一番いいのは潔癖な平和主義者です。そういう人間になりたいものです。