核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

星一『官吏学 第三巻』におけるW・ジェイムズの「道徳的代用価」と戦争中止論

 1922(大正11)年刊行の、星一畢生の大著です。
 当ブログがたびたび引用してきました、ウィリアム・ジェイムズの「戦争の道徳的等価物」論を、星一も引いていました。「軍備」の章より。

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 ウイリアム・ジエームスは之に或る「道徳的代用価」を置き換へざる限りは戦争は中止するものにあらざる旨を主張せしは一見識と謂うべし。
 (近代デジタルライブラリー 星一『官吏学 第三巻』81/630)
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 星は続いてカントの『永久平和論』や宋代(春秋の宋ではなく中世の宋)の徴兵反対論も扱っていますが、小説『三十年後』ほど明確には、軍備廃止の立場ではありません。
 とにかく膨大な量なので後回しにしていた『官吏学』ですが、こうなると読まずにはいられないようです。