核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

水本正晴「ゾンビの可能性」(『科学哲学』 2006)

 心と脳の問題について調べはじめると、チャルマーズのゾンビ論法は避けて通れない話題のようです。
 ここでいうゾンビ(水本論のいう機能的ゾンビ)とはモンスターのたぐいではなく、人間とまったく同じ身体・頭脳を持ちながら、クオリア(感覚質。いわゆる「感じ」)をもたない存在、を想定しています。ゾンビというよりレプリカといったほうが適切かもしれませんが、慣習らしいので以後もゾンビで。
 で、そういうゾンビが存在する可能性があるとしたら(実際にいるかは別として)、意識は物質とは別種類の事実ということになり、ゆえに唯物論は偽である…となるらしいのですが、このへんで理解力がついていかなくなりました。その後の水本のチャルマーズへの反論「点滅するクオリア」にまでふみこめなかったことを告白します。