核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

第四反論(白水社『デカルト著作集 2』 1973)

 今回のゲストは、神学博士(見込)アントワーヌ・アルノー。この反論執筆時には29歳、パリ大学神学部で、博士論文の提出準備という「面倒な仕事で忙殺されていた」(241ページ)とこだったそうです。履歴書だの製本だの、論文以外で面倒なことが多いものでして。
 今回は神学者だけあって難しげな言葉が多く、いつもにもまして理解できたかどうか不安です。とりあえず要点と思われるところのみ紹介します。
 
・人間的精神の本性について。精神と身体、人間と動物を明確に区別するデカルト説への反論。動物や幼児や狂人の場合はどうなのか。
・神について。明晰な知は神の存在によってしか保証されず、神の存在は明晰な知によってしか保証されえない、というのは循環論法ではないか。
神学者たちに疑念を抱かせうる諸点について。デカルトの哲学はパンの聖体の秘蹟と矛盾するのでは。
 
 最後の反論は哲学というより神学の問題だと思うのですが、当時の人には重大なことだったようなので書き記しておきます。デカルトの答弁は次回にでも。