核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

デカルトの循環論法(近藤洋逸 『デカルトの自然像』岩波書店 1959 より)

 これまでにもうっすらと問題になってはいたのですが、アルノーガッサンディの第四・第五反論ではくっきりと問題になりそうなので、近藤氏の要約を引用します。
 
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 デカルトは明晰判明知の真を誠実な神によって保証させる。(略)すなわち自我のもつ神の観念が明晰判明であることを基礎にして、その存在を証明し、ついでかようにして認識された神をして明晰判明知の真を保証させるからである。この循環は『第二論駁』の論者たち、また『第四論駁』のアルノーがすでに指摘している。
 (222ページ 傍点は下線に改めた)
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 デカルトの言う神の観念は、どうも観念の神じゃないかという気がするのですが。そのへんについては、私などよりもアルノーガッサンディの方が的確につっこんでくれることでしょう。