核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

戦争と警察活動の間

 「将軍」の「三 陣中の芝居」を読んでいて、「軍隊と警察の違い」といった問題が気になり、あれこれ探していたら以下の文献が見つかりました。「戦争と警察活動の違い」なので、少しずれますが。

   ※
 例えばラッセルによれば、「戦争というものが、警察による強制力の使用と異なっている点は、以下の事実にある。つまり、警察の諸行動は中立的な権威によって命令されるに反して、戦争においては、暴力を始動させるのが紛争の当事者自身である、という事実なのだ」(社会改造の諸原理」五一~五二頁)。
 戦争と警察にはどのような違いがあるだろうか。警察が依拠する「中立的な権威」にとって決定的なのは、ウェーバーの定義にある暴力行使の「正統性」の有無である。ある国家が別の国家に戦争を仕掛けるとき、前者の政府が後者の国民に対して、あらかじめ武器使用の同意を得ていることはありそうにない。それに対して、正統な政府は強制力を用いることの同意を、通常あらかじめ制定された法律を通じて国民から調達している。
 (松元雅和『平和主義とは何か』中公新書 二〇一三 二二~二三ページ)
   ※

 私が求めていた答えではないにしても、手がかりにはなりそうです。ありがたい本です。