核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

新無神論も、偏れば狂信か

 ドーキンスらは新無神論と呼ばれているようで、ハリス、ヒッチェンス、デネットら、その新無神論とされる人々の主張をネットで検索してみたのですが、あまり賛同できるものではありませんでした。私は「新」のつかない無神論者のようです。

 詳しくは彼らの著書を読んでから批判したいと思いますが、彼らの中にはアニマルライツ(動物の権利)や菜食主義を訴える一方、イスラム圏への戦争を支持する方もおられるそうで。人間同士の平和を最優先課題とする私としては、どうも順序を誤っている気がしてなりません。

 それでなくても、ドーキンスら新無神論者の発言は、有神論者を攻撃するのに急なあまり、無神論者自身の道徳性を不問にする傾向があるようです。

 無神論も有神論に劣らず排他的・狂信的になりうることは、マルクス主義の悲惨な過去が証明しています。無神論者はまず、マルクスの再来を防ぐための、無神論者固有の倫理の構築に力を注ぐべきだと思うのです。

 「現世での報いも来世の報いもないとしても、人は正義を守れるか」というグラウコンの問いは、むしろ今日こそ価値を持つと思います。