核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

言語論的転回以前にとどまる決意。

 十二三年前でしたか、院生時代の歴史学系の発表で、「菅原くんは実証主義者だからね~」と、ある先生に仰せられたことがありました。私はいかにも自分が時代おくれというか、大都会に迷い込んだ素朴ないなかもののような疎外感にとらわれたのを覚えています。そんな自分の立場を弁明する言葉や理論を、私は持ちませんでした。

 時は流れ、私もいくらか研鑽を積み、ふてぶてしくもなりました。その上で、あえて言います。私は素朴実証主義者であると。

 数十年前から、人文学には言語論的転回の波が押し寄せていて、「事実」とか「実証」という言葉は評判が悪いようです。『社会文学』の最新号(51号)がその特集でして、勉強はさせていただきましたが、心服するわけにはいきませんでした。