吉川三国志ネタをもう一つ。
『草莽の巻』より。訳あって呂布が玄徳と袁術軍の仲裁をする事になった場面で。
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「おれの本心は、平和主義だ。おれは元来、平和を愛する人間だからね。――そこで今日は、双方の顔をつき合わせて、
平和主義も顔負けしたろう。
それも、余人がいうならともかく、呂布が自分の口で、(おれは平和主義だ)と、
もとより紀霊も、こんな平和主義者を、信用するはずはない。
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問題は「平和主義」です。これも演義や正史に出て来るはずのない言葉ですが、吉川はいかなる文脈でこれを用いたか。風刺的なニュアンスだとは思うのですが。
機会があれば、吉川三国志の新聞初出を読んでみたいものです。