この詩集は北原白秋の没後に刊行されたもので、従って以下の序文もどこまで真に受けていいものかはわかりません。
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詩はかつて、青白き感傷と抒情の紲(きづな)に自由を縛られてゐた。しかし、わが一億国民が米英の暴圧に抗して剣をとつて立つや、詩も新しい精神に燃えて、その紲を切つて立ち上がつた。かつて、ほのかな月の光や凋れゆく花にのみ美しさを感じてゐた詩は、今や、力強い軍靴の響きと、弾幕を衝いて敵艦を襲ふ荒鷲の姿に、健康な美しさを見いだしたのである。
(二頁)
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むかしから、ぐんくつの響きが好きだな朝日新聞。
以上の文章は北原白秋が書いたものではないので、作家論の資料にはならないのですが、あながち嘘を並べただけでもないのではと思います。