つねづね私は、「××××年 ○○戦争」といった戦争の年代を暗記させる「戦争史」ではなく、戦争阻止と平和実現の実例を示す「平和史」を教えるべきではないか、と考えてきました。少なくとも、生徒が暗記すべき量はずっと少なくなるでしょうし(これ皮肉ですよ。苦めの)。
吹浦氏にとっくに先をこされていたようです。内容ともくじを。
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内容
悲しいことだが、古今東西、人類の歴史は戦争の連続であった。 有史以来、世界で戦争がなかった年はわずか十数年だという学者もいる。 戦争の原因は、さまざまなかたちの欲望や他国に対する恐怖心への対抗などであったが、それでも、世界のすべての人が平和を希求し、さまざまな手法で模索し続けてきたのもまた事実だ。 この現実の矛盾する構造は、二一世紀の現在も基本的に変わっていない。 本書は、過去から現在まで、人類がどのように平和に取り組み、それがどう成功し、どう失敗してきたかをテーマごとに考察し、その中から現代の国際政治がいかにして平和の確立を図るべきか、ヒントを探ろうとする試みである。
目次
「念仏では平和は維持できない」
軍事と政策の平和史
領土と国境の平和史
諜報と工作の平和史
人望と交渉の平和史
お詫びと貢ぎ物の平和史
信仰と憎悪の平和史
理解と無理解の平和史
開戦と終戦の平和史
理論と実践の平和史
国際機構と協力の世界史
日本は「平和」にどう貢献するのか
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向戌やアリストパネスが出てくるかは知りませんが(木下尚江や村井弦斎は出てこないでしょう)、期待できそうな雰囲気です。特に「人望と交渉の平和史」あたりは。近日中に読みます。