核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

ティーブレイク

 先頃ティーバッグが戸棚の奥から大量に出てきたので、にわかにコーヒー党から紅茶党に移行することにしました。もしかしたら、文体や思考に変化が生じるかも知れません。そうだとしたら、最近行きづまり気味の私にはありがたいことです。

 

 前々回あたりに、平家物語機動戦士ガンダムを指して、「大きな物語」とかいう言葉を不用意に使ってしまいましたが、リオタールさえ持っていない私が使うのは僭越だったかも知れません。

 東浩紀氏や大塚英志氏の用法とも一致するわけではないので、今後は「物語」という両義的な語はなるべく使わず、「虚構作品」といった用語を用いることにします。

 

 で、その「虚構作品」ですが、よくできた虚構作品は、自分なりに演じたくなる欲望をかきたてる力があるようです。それもそっくりそのまま真似したくなるというよりは、自分なりにちょっとアレンジした形で。それは二次創作の形をとることもあれば、パロディの形をとることもあります。昔でいえば詩吟、謡曲から、カラオケ、同人誌、コピペ、ゆっくり解説動画といったものを生み出させる力の源といえそうです。

 

 問題は、「よくできた」虚構作品しか、そういう力を持ち得ないというところでして。他人の模倣にすぎない作品と、他人に模倣させる力を持った作品。その違いを、従来の文学理論ではうまく説明できていないのではないでしょうか。