核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

ジャン=レオン・ジェロームの絵画『アスパシアの家にアルキビアデスを探しに来たソクラテス』(一八六一)

 古代ギリシアがらみの語句であれこれ検索していたら、すごいのが見付かりました。

 直リンクはしませんが、ウィキペディアの「アスパシア」の項にあります。

 題には「アスパシアの家」とありますが、どうみても屋外です。そして半裸です。アルキビアデスもアスパシアも。19世紀の画壇でよくこんなんが発表できたものです。

 アルキビアデスの有名な愛犬もそばに描かれています。しっぽを切られているかはよく見えません。

 アテナイの軍事指導者としてのアルキビアデスについては前々回にも述べましたが、この人物は派手な性的スキャンダルが多いことでも知られてまして。盾に家紋ではなくエロス神を描いたとか、スパルタ亡命中に王妃と不倫したとか、エロス神をたたえる饗宴のさなかに乱入したとか。ペリクレスの秘書アスパシアとの関係は古代の資料には出てきませんが、フローベールの『紋切型辞典』にそれっぽい記述があり、19世紀にはそう思われていたのかも知れません。