「バベルの塔の建造は初めはかなり順調だった」(冒頭の一文)
かなりどころじゃなかったのですよ。やるからには天まで届く塔を建てたい!そのためには、まず土台部分をしっかりと作っておきたい。でないと、後になって問題が発覚し、一からやりなおしになりかねない。
どうせ自分が生きてるうちに完成するはずはないんだし、本格的な工事はもっと建築技術が進歩してからでも遅くはない。塔そのものよりも、まず自分らの住居をしっかり作っておこう。とかやってるうちに・・・
「世代が下るうちに、天まで届く塔を建てることの無意味が知れわたってしまった。だが、その間にたがいに親密な関係ができて、いまさら町を出ていくわけにもいかないのだった」
もう、いっそ誰かこの町を破壊してくれ!ってわけで、町の紋章は握り拳のマークなんだそうです。おしまい。
文庫本3ページなんだけど、いろいろ心当たりのある短編(サークル活動とかネトゲーとか)。