核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

『経国美談』 「第十四回 列国の英雄一堂に会す 斉使大会に旧典を争ふ」

 一度打ち込んだ文章をもう一度打ち直すのは気が進まないものです。今度は慎重に。
 
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 紀元前三百七十一年第一月二十日は予て定めたる希臘全土と大平和の条約大会議の当日なれば(略)列国の全権委員続々として羅胡の首府なる斯波多の国都に到着せり(略)
 (コリンツ)の委員安氏は一日斉国の特命委員威氏の旅寓を訪ひ斯阿二国が粗ぼ同意せる内議の箇条を演べ斉国の意見を問ひしに(略)威氏は安氏に向ひ
 希臘全土の大平和は希臘人民の望みなり(略)然れども天下の事本より定数あり(略)人事の定数に於て列国の大平和を得せしむべきの勢ひ二つあり(原文改行なし)
 其の一は列国の勢力相ひ平均して毫も盛衰強弱の差異なきこと是れなり(略)是を大平和を得べきの第一勢と云ふ(略 原文改行なし)
 又其の次は列国中に於て容易に他邦を圧倒すべき勢力抜群の大国あらば又必ず全土に永久の大平和を与へ得べし(略)是を大平和を得べきの第二勢と云ふ(原文改行なし)
 試みに希臘今時の形勢を見られよ(略)列国の大小強弱の差等あること未だ今日の甚だしきが如きはあらざるなり(いずくん)ぞ第一勢を望むべけんや又仮令ひ第一勢なきも第二勢あらば永久の大平和或は望むべし然れども斯、阿両国は国勢に均く互に相ひ下らず加るに貴国の在るあり又弊邦あり一大強国の勢力未だ他邦を圧倒する者あるを見ざるなり然らば則ち第二勢も亦た望みなき者に似たるにあらずや
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 ・・・平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼しないところからスタートする平和主義者、矢野龍渓
 一応弁明しときますと、龍渓の著作にはもう少しましな「永久平和のために その3」も出てきます。
 私の論文が掲載されれば、その全貌も明らかになるはずなのですけど・・・。