八重洲ブックセンターで見つけて、さんざん迷ったあげく買わなかった本です。
大正期以降の反戦小説の一覧としては価値あるものであり(私の論文『明治の平和主義小説』とは一編も重複していません)、労作であることは確かです。
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つぎの〈プロレタリアと戦争〉においても、階級社会からの脱却、すなわち社会主義社会の実現以外に戦争は根絶できないとして、被支配階級と支配階級との闘争には進歩的価値があることを強調する。
ブルジョア平和主義者や無政府主義者は戦争一般に反対するが、戦争に残虐行為や窮乏、苦悩がともなうものであるとしても、反動的な制度を打破するために役立つ戦争であれば人類の進歩のために肯定されなければならない。(16章 黒島伝治の反戦小説 367ページ)
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」第六巻)をながながと引用しています。階級闘争のための戦争を肯定する趣旨の。