私の研究対象には第一類(反戦小説)と第二類(戦争美化もの)があるわけですが、どちらの分類にも入らないけど、気になる作品があります。
あるいは人間を超えた視座(宇宙人や未来人)から、平和な文明のあり方を論じた作品。三島由紀夫の『美しい星』や、星新一のショートショートなど。SFというジャンルは純文学側からは低く見られることが多く、低く見られてもしかたのない作品も多いのですが、論じるに値するものも多く含まれています。
これらの作品を、私は仮にメタ的な平和小説と呼んでいます。平和主義が独善や理屈だおれに陥らないためにも、こうした作品の研究は必要です。