核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

第六答弁 (白水社 『デカルト著作集 2』 1973 より)

 デカルト省察』の読書録も、今回をもってひとまず終わりとします。結局、デカルトは最後まで、「動物にも精神はある」とは認めませんでした。
 
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 犬[ども]や猿[ども]について言えば、よしんば私がそれらのうちに思惟があることを承認するとしたとしても、そのことからはいかなる意味でも、人間的霊魂が身体から区別されないということが帰結されることにはないそうもないのであって、逆にむしろ、他の動物においてもまた精神は身体から区別されるということが帰結されてくることになるでしょう。(略)だが実のところ、誤ってここでそのように受けとられているのですが、動物のうちには全くなんらの思惟も存在しない、と私は言ったばかりでなくて、いとも確固たる、そして誰によってもこれまでのところ反駁されなかった論拠にもとづいて、[そのことを]私は証明してあるのです。
 (487ページ)
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 デカルトという人は、世間の学者たちに何と言われようと、自分の意見を譲るような人ではなかった。それだけはよ~く解りました。しかし残念ながら、かんじんの「動物のうちには全くなんらの思惟も存在しない」部分の論拠については、読んでも私には理解できませんでした。
 どこかに日本語訳があるという第七反論と答弁も、気長に探してはみます。もう大体予想はつきますけど。しばらくは別のテーマを書くことにします。