核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

『出版警察報』に取り上げられた『大洋』誌

 文藝春秋社の『大洋』という雑誌は、国会図書館に置いてないこともあり、これまで全体像をつかめていなかったのですが、戦時下の『出版警察報』にかなりくわしい動向が書いてありました。1942(昭和17)年の記事より一例を。
 
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 海軍又は海軍兵学校の教育訓練を紹介したものには(略。『オール読物』『黒潮』『家の光』『戦線文庫』と並べて)「兵学校の伝統的精神」(続木禎式)「江田島の棒倒し」(古橋才次郎)「海軍精神の探究」(平出大佐)を(大洋五月)に特集し、「我が海軍の決死訓練」(高橋三吉―日の出三月)等を取扱ひ何れも国民大衆に身の引締まるのを覚えしめるよいもので、「黒潮」「大洋」が海の雑誌と自認してゐるだけに多く取り上げてゐる。
 (『出版警察報』第百四十三号 より「大衆娯楽雑誌」32~33ページ 旧字体新字体に改めた)
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 ・・・目次や編集後記からは海軍の宣伝雑誌にしか見えなかったのですが、意外にも「大衆娯楽雑誌」の項に分類されていました。