核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

村井弦斎『食道楽 続篇』「春の巻」 「第八十一 石の吸物」

 『食道楽 続篇』は、岩波文庫からの復刻はまずないだろうし、私もあの戦勝ムードに浮かれた冒頭部分は高く評価できませんでしたが、捨てるには惜しい話もありまして。
 この「石の吸物」なんかは、『食道楽』正続きっての珍料理です。
 茶の会の流行する名古屋で、ある金満家が茶人仲間を招いて出した御馳走とは。

 
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 「愈(いよい)よ御馳走となつて客が吸物の蓋を明けて見ると中の実には平たい石が三つ四つ入れてある計りです。汁は大層美味しいが石は普通の石で齧つて齧れないし飲むことも出来ず、石に味が付いて居るわけでも無し、サア何の為めに此の石が入れてあるか訳が分からない、互いに顔を見合せて頻(しきり)に考へて居たそうです」
 (近代デジタルライブラリー 『食道楽 続篇』「春の巻」 148/193)
  http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/886117
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・・・正解は次回に。もったいぶるほどでもありませんが。