核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

ヤウス『挑発としての文学史』(轡田収訳 岩波書店 1976) その4

 深入りしだすと深入りになるので、結論を書き写して終わりにします。

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 以上述べて来たところからの結論として、社会生活における文学特有の効用は、まさに文学が”叙述的な”(””内は傍点)芸術の機能に尽きてしまうのではないところに求められる、と言うことができる。(略)文学史は単に作品に反映した一般史の過程を記述し続けるのではなく、〈文学的進化〉の道程の中に、本来の意味での”社会形成的”(””内は傍点)な機能を明らかにすることが求められる。
 (75~76ページ)
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 現実の「反映」にとどまらず、新たな現実を「形成」していく文学。どうせ研究するならそういうのを相手にしたいと、私もつくづく思うのです。