核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

廣岡守穂「村井弦斎『食道楽』にみる家庭小説のジェンダー」(『白門』 2014年10月)

 法学部教授の手になる弦斎論。私のような物好き以外の方にも村井弦斎が知られるようになったのはありがたいことです。
 論文というよりはエッセイ風といいますか、あらすじ紹介が大半を占めてはいますが、『食道楽』の主題を「家父長制が強いる理不尽に対する挑戦である」と断言していらっしゃるあたりは同意します。
 現代のジェンダー論者から見れば弦斎も後進的でしょうけど、弦斎は彼なりに当時の女性の地位向上にとりくんでいたわけでして。スカラーではなくベクトルで評価していただきたいと思うわけです。