核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

賀川豊彦の対米非戦論(『産業組合の本質とその進路』(1940)より)

 1940(昭和15)年に、日米を含む民族間の闘争を「誠につまらぬこと」と断言した章です。理想主義者というべきか、現状認識不足というべきか。

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 飛行機文明の発達は恐らく世界の封建的組織を破壊せずには置かないであらう。飛行機の力をかりれば、日本と米国との距離は僅か四十時間に短縮される。斯く距離が縮まつた地球の表面に於て、民族が闘争を続けることは誠につまらぬことである。
 『産業組合の本質とその進路』「第十章 世界平和と国際協同組合運動」
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 奥付を見ると四月二十七日発行とあります。第二次世界大戦はすでに始まっています。ほかならぬ飛行機文明が、その後の、日米間を含む戦局を悲惨なものにしたのですが…。