入門書を二冊読んだだけで即断するのは危険かも知れません。
しかし、こう考えずにはいられないのです。アルチュセールの「功績」とは、マルクスが世紀の大発見とばかりに掲げた「イデオロギー」や「経済決定論」を、マルクス以前のごく常識的な見解に戻したこと、だけなのではないかと。晩年のアルチュセールはスピノザやマキァヴェリに傾倒したそうですが、それは結局「マルクスはどう読んでもダメだった」ことに気づいたからではないかと。
私にとってアルチュセールは赤の他者なので、そうであっても別に構わないのですが、ラクラウもそうだとしたらちょっと厄介です。