会津藩白虎隊の生きのこり東海散士は、世界各地をめぐり、マイノリティ活動家(女性含む)たちとの出会いと語り合いを通して、小国日本が独立を保つ道を模索するのだった。
……文としては一行。本当に面白いのは細部なのですが、こんなもんでしょう。
後半は執筆・刊行時期が日清戦争期なこともありなまなましくなりますが、朝鮮の併合は主張せず、その独立を援助する立場に立ってはいます。
とはいえ国権小説であることにかわりはなく、国民国家批判の方からは評価が低いと思うのですが、私は国民国家批判に与する立場ではないので。むしろ、日本という国家を様々な立場から相対化しようとした作品として再評価されるべきと思います。