図書館で発見した新刊です。冊数制限に引っかかって借りられなかったので、今回は報告のみとさせていただきます。
うま味調味料の元祖といえば味の素(当ブログは宣伝目的ではありません。厳然たる歴史的事実です)。
小説仕立てにしたせいか、歴史的にどうかと思われる記述がしばしば目につきます。研究者としては小説化よりドキュメンタリー形式にしてほしかったところです。
個人的には、弦斎の笑い方は、「ハッハッハ」ではなく、「アハヽ」にしてほしかった。でもって、
「実に野蛮だネ」
「今の世の○道楽を改良しなければならん」
のトリプルコンボを決めて欲しかったところです。
「今の文学者の言論文章を読んでも多くは不平や怨嗟の声を発するのが文学者の本領と心得ている。(略)これは先ず今の病的文学を改良しなければならん」
現実の悲惨さを訴えるよりも、実現可能な代案を提出して「改良」をめざすこと。よくも悪くもそれが村井弦斎の生き様なのです。