核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

「戦争絶滅受合法案」

 有名な一文ですが、平和主義の古典です。
 
   長谷川如是閑 「戦争絶滅受合法案」  『我等』 1929(昭和4)年1月
 戦争行為の開始後又は宣戦布告の効力の生じたる後、十時間以内に次の処置をとるべきこと。
 即ち左の各項に該当する者を最下級の兵卒として召集し、出来るだけ早くこれを最前線に送り、敵の砲火の下に実戦に従はしむべし。
  一、国家の××(元首)。但し△△(君主)たると大統領たるとを問はず。尤(もっと)も男子たること。
  二、国家の××(元首)の男性の親族にして十六歳に達せる者。
  三、総理大臣、及び各国務大臣、并(ならび)に次官。
  四、国民によつて選出されたる立法部の男性の代議士。但し戦争に反対の投票を為したる者は之を除く。
  五、キリスト教又は他の寺院の僧正、管長、其他の高僧にして公然戦争に反対せざりし者。
  (以下略)
 
 ・・・要するに、戦争が始まったら、その戦争を止められなかった天皇・大統領・大臣・議員のみなさまに二等兵として戦場に出ていただこう、という趣旨です。
 まあ、こんな法案をどうやって通すのか、「戦争絶滅受合法案を成立させること受合法案」が必要になるんじゃないかという落ちがつくわけですけど。
 私は「戦争に賛成するやつは死んだっていい」などと思っているわけではありませんし、如是閑も同様だと思います。ただ、戦争を容認することの「重さ」を、身にしみて感じてほしいと思うだけです。