こんな題名ですが(つけたのはアランではなく編集者だそうです)、戦争の罪悪は戦わさせられる末端の兵士ではなく、戦争を引き起こす政治家や将軍の側にある、というのが本題です。
※
名誉は戦争の真の原動力である。これゆえ平和の友たちにはわずかな希望しか残されない。しかし戦争は、野心に突き動かされ、栄光に引き寄せられた政治家たちと将軍たちとの双方の立案によってしか起こりえないものだから、もしすべて女性によって構成される名誉法廷が、直接にからだを張る者たちにのみ賞賛を与え、戦争を準備したり指導したりしながら、みずからすすんで苦難や危険のもっとも多い部署におもむかなかった者たちを、例外なく、下劣で軽蔑すべき人間とみなすならば、それは重要な、おそらくは決定的な結果をもたらすだろう。また、国家の首長と将軍は自分の生命を出し惜しみすることは確実であるから、野心家も乱暴者ももはやそのような職業を欲しなくなるにちがいない。
一九二一年四月二日
(130ページ)
※