核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

小林秀雄にはこりごりでござる、の巻

 私の本来の研究対象の一つである『郵便報知新聞』の創始者であり、明治の郵便制度の創設者の前島密(まえじまひそか)は、国語改良運動の一環として「ござる体」を提案していたそうです。通ってたら忍者ハットリくん口調が公式の文体になってたわけで、ニンともカンとも。ちなみに「登場人物のうち一人だけ一昔前の口調」による滑稽味という手法は、福地桜痴の『仙居の夢』、村井弦斎の『日の出島』なんかでも使用されています。起源はもっとずっと古いのでしょうけど。
 
 ・・・というわけで、小林秀雄論は無事完成しました。書誌学上の功績としては十分だと思いますので、後は審査を待つのみです。私の業績かせぎのためではなく、文学研究の未来のために、通って欲しい論文です。
 発表時に質問のあった、「小林秀雄の政治状況への影響力はどれほどだったのか」という点についてはこれでもかとばかり強化しました。反面、小林秀雄全集を出した出版社側の事情は手薄になってしまったのが惜しまれるところです。まあ、なんでもかんでも詰め込んだら、原稿用紙四十枚やそこらでは足りないので。
 
 みにくい中年男どものことはしばし忘れて(小林秀雄「は」外見だけはイケメンなんですけどね。舘ひろし似で)、明日はかわいい女の子と映画に行ってきます。純粋で正しくて美しいものが、まだこの世にあるということを思い出すのは、いいことです。