核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

三浦俊彦 『虚構世界の存在論』 勁草書房 1995 その2

 昨日(http://blogs.yahoo.co.jp/fktouc18411906/6454448.html)に引き続き、『虚構世界の存在論』を紹介します。
 予告では私自身の虚構論を論17として披露するはずでしたが、かんじんの三浦氏の結論を書き落としていたので、先にそちらを要約します。
 
 17、虚構実在論三浦俊彦) 
 虚構は、現実よりも影の薄い異質の反実在ではない。虚構は現実世界の描像に倣って同じ描像が当てはまるという意味で実在なのだ。
 (『虚構世界の存在論』 「第五章 虚構世界とは何なのか 2 メイクビリーブとしての世界観」 331ページ)
 
 ・・・原文では「メイクビリーブとしての」の上に取り消し線ではなく横長×じるしが引かれているのですが、このブログの性能では再現できませんでした。以上、二日に渡って取り上げてきた17通りの虚構論の要約部分は、すべて三浦氏の本文通りの引用です。なぜ自分なりにかみくだかなかったのかといいますと、要約に私の偏見が混入する危険を避けたかったのです。 ほんと、論理学者の言いたい放題にさせておくには、魅力的すぎる遊び場なのです。
 
 明治文学研究者・古代ギリシアフェチ・TRPGゲーマー・創作ブタさんシリーズ作者としてのアンタルキダスの虚構論は、項を改めてじっくり論じることにします。ここまで論が出尽くしてると、独創的にはなりそうもないけど。
 とりあえず、1~4は華麗にスルーと(原典一つも読んでないし)、ゲーマー好みの14メイクビリーブと16サイショウリダツもあえて外すことになるかと思います。大穴の7番プランティンガ一点買いもまた一興か。