核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

大江健三郎「同世代ルポ35 若き原子科学者夫妻」 2ページ目

  『毎日グラフ』1961(昭和36)年9月3日号。
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 「大江 二十六億円もかけた国産第一号原子炉が、自衛隊の戦闘機十機も墜落したと思えば、動かなくてもいい。つぎの炉をつくるために立派に役立つからだと現場の人がいってらして、ぼくはおもしろかった。ゼイタクでいいですよ。あんなに大きな原子炉だから、動かなければアパートにしてしまえばいい(笑)。それは冗談だけど、近藤さんはさっき、原子炉建設に疑問をもったと……。」
 
 ・・・少なくとも専門家の近藤達男氏は、こんな「冗談」で笑ったりはしていません。基礎研究を後回しにした原子炉建設を危惧し、「単に作ってみることが、そんなに重要なのか」と考えています。