『毎日グラフ』1961(昭和36)年9月3日号。
近藤達男氏の、「僕たちの子供が放射能をうけない仕事につけばいいのですが……そういう意味で、まだ世にでない子供に責任を強く感じますね」という発言および、靖子夫人の子供への放射能の影響を案ずる発言について、大江健三郎はこう言っています。
「大江 アメリカの科学小説で、放射能のために突然優秀な子供ができて、十二才ぐらいでシェークスピアなみの戯曲を書いたりする話を読みましたが、あなたがたの子供さんなら、十才ぐらいで小型原子炉を作ってあそぶのかもしれない(三人大笑い)
近藤夫人 そうなればいいんですが、いまのところ実験データではぜんぶ劣性遺伝だそうですから、危険ですね。
近藤 だいたい良い効果はないようです。それに自分たちの子供は放射能をうける仕事をさせないほうがいいと思いますよ。この仕事は一代限りですね」
追記 「劣性遺伝」という語の使い方が間違ってる気もしますが、画像にあるとおり原文のままです。