核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

大江健三郎「同世代ルポ35 若き原子科学者夫妻」4ページ目(最後)

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  『毎日グラフ』1961(昭和36)年9月3日号。 最下段のみ。これで最後です。
 「大江 科学はあまりできなくても政治力のある研究者が二、三人いれば、そういう人たちが政治家とたたかって原研をよくするかもしれない。理学部出身の全学連幹部を、原研に入れるといい(三人大笑い)。」
 
 ・・あなたにとって、「政治力のある」青年の典型は全学連ですか。ろくに科学知識もないマルクス・レーニン主義者たちの手に原子力研究所を渡して、どう「よく」すると言うのでしょうか。1961年前後の全学連の内実について書かれた本は多いのですが、いずれ私なりに報告します。
 
 「大江 原子炉のほうは長い未来のお仕事です。いまはまず、お子さまを優先なさっても決して遅すぎはしませんよ。」
 
 ・・・これまでの対談内容でわかるとおり、この時点で近藤夫妻にお子さまはいませんし、直前にも「正常な家庭生活を作る自信がない」という悩みを吐露していらっしゃいます。その上での発言です。
 なお、近藤達男氏はネットで検索したところご存命で(ご家族については不明)、2011年3月11日以降も原子力発電の存続を主張なさっています。ご意見に賛成はできませんが、少なくとも近藤達男氏は無節操な方ではないようです。