国会図書館所蔵のマイクロリール版『小樽新聞』は、1904(明治37)年、つまり日露戦争開戦の年に多々欠落がありまして。具体的には1~2月、5~6月、9月がまるごと欠けております。ひとまず今回入手したコピーは。
3月21日 「軍人の子」(小説。寄付金をだせずいじめられる軍人の子)
3月27日 「軍人家族の慰籍」(「慰藉」か。原文も竹かんむり。軍人家族の救済を説く)
4月18日 「徴発馬」(小説。逃走した元騎兵が愛馬に語りかける)
7月31日 「露国内相の暗殺」(「吾人も亦此の圧政家の横死に快哉を叫ぶ」)
10月2日 「戦場の死生観 征途の友に与ふるの書」(兵士に「巧みに生きよ」と呼びかける)
11月3日 「天長節」(小説。軍人遺族の少年がロシア兵捕虜への憎しみを克服する)
「若松潮陵を送る」(同僚の従軍記者を送る文)
以上です。なお小説はすべて「みよしの生」名義となっています。かっこ内のあらすじは、入手した原文に即して一部改めました。
6月~7月の 「戦後の日本」(日本が勝利して二年後が舞台。破天荒な未来小説)も欲しかったのですが、前半が欠けている上断続連載なので筋がつかめず、今回は見送りました。
まだ碧川の全体像をつかんだというにはほど遠いので、学会発表や論文ができる段階ではありませんが、少しずつ紹介していきたいと思います。