核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

『原敬関係文書 第八巻』による1906(明治39)年の木下尚江

 前回に引き続き、『原敬関係文書 第八巻』(原敬文書研究会編 日本放送出版会 1987)313~314ページの調査報告を紹介します。当時の原敬は内務大臣として社会主義者を取り締まる側だったわけですが、彼の残した資料は役に立ってくれています。
 
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 麻布区広尾町三十五番地 毎日新聞記者 木下尚江 明治二年九月生
 一原籍 長野県東筑摩郡松本町 千五百三十六番地 士族
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 「一経歴」は1906(明治39)年6月28日の「神田錦輝館ニ於ケル演説会ニ出席ス」で終わってますので、その頃の調査と思われます。
 思想については、「其筆舌往々極端ニ奔ル傾向アリ」「社会主義者中ノ重ナル者ナリ」「恋愛ニ関スル不敬ニ渉ル演説ヲ為ス」とあります。
 この時点ではこれだけ当局にマークされてた木下尚江が、大逆事件ではなぜノーマークだったのか。いずれ「不敬と大逆のあいだ」といった論文を書いてみたいと思います。