核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

矢野龍渓

村井弦斎あて矢野龍渓書簡

※ 安田晃子 , やすだあきこ , Z95W:お:051:001 , 大分県立先哲史料館研究紀要 , 7 , 2002 , ※ 書簡の年代は不明ですが、チェックしてみる価値はありそうです。 (2018・8・27追記 国会図書館にはありませんでした。他をあたってみます)

『経国美談』後篇の創作人物、ヘージアス

「第二回 阿善国都に暴民紀綱を紊る 公会堂上に阿慈頓節に死す」より。 阿善(アゼン)とはアテネのことです。 ※ 茲に阿善の南部瑣良美の島に生じたる一人物あり其名を平邪(ヘージアス)と云ふ (略。強い意志と民衆を圧倒する能力を持ってはいたが) 惜い…

アンタルキダスのモデルは宋の向戌?

『経国美談』という小説は、各回ごとに栗本鋤雲、依田学海、藤田鳴鶴らによる漢文の評がついていまして。評といっても批評というよりはあらすじと感想ですが。 で、後篇の第十三回、「(略)兵戈に苦て諸国大平和の議を容る」の学海の評にこうあります。 ※ …

『経国美談』後編を読み返してみる。

同小説にアンタルキダスという平和主義の創作人物が挿入されていることは、当ブログの2回目および博士論文序章で語ってきましたが、もう一人、急進民主主義のオリキャラがいまして。 自由党の過激性を立憲改進党の立場から批判的に描いたものだとか、実在の…

民主主義を守ることのむずかしさ。

ここ数日、痛感しています。

書庫「ジャーナリズムとデモクラシー」追加。

今回は文学から少し離れて、歴史よりの内容になりそうです。

主権論争。

1881(明治14)年頃、当時の名だたる大新聞(おおしんぶん)を巻き込んだ大論争。 福地桜痴率いる東京日日新聞の天皇主権説に対し、議会主権やそれ以外主権を説く他紙が猛反発。 ……らしいのですが、一次史料はまだ見ていないもので、後ほど。 ジャーナ…

横光利一「静かなる羅列」(「文芸春秋」1925(大正14)年7月号)

そういや横光利一で、シムシティかシヴィライゼーションみたいな小説があったよな。 そう思って検索してみたら、青空文庫で読めました。 二つの川の地質学的な起源から始まり、そこに住み着いた人間たちの営みが、天上から見下ろすようなマクロな視点で描か…

デモクラシーが産まれる瞬間。

「デモクラシーが伝来する瞬間」でも十分なのですが、できれば無政府状態ないし圧制状態から「デモクラシーが産まれる瞬間」を描いた文学作品を探したいものです。

ジャーナリズムとデモクラシーか。

大正期とか昭和戦後期が狙われそうなので、ここはあえてはずして、デモクラシーがありそうもない時代を攻めてみたいと思います。 今念頭に置いている作品は、『浅草紅団』と『浮城物語』。そして福地の『選挙競争 嘘八百』あたりを読み返してみようかと思い…

「社会文学」49号・原稿募集

今の勢いが落ちないうちに、ばりばり書こうと思います。 そんなわけで日本社会文学会様のサイトより転載。 ※ 社会文学」49号 特集:ジャーナリズムとデモクラシー 『社会文学』49号の特集は、明治大学での春季大会を反映させた「ジャーナリズムとデモクラ…

尾西康充「政治小説の可能性 矢野龍溪「浮城物語」」 (予告)

矢野龍渓でCiNii検索したら、また未読の面白そうな論文が見つかりました。 ※ 政治小説の可能性 : 矢野龍溪「浮城物語」 (特集 明治百五十年) 尾西 康充 民主文学 (627), 104-109, 2017-12 ※ 「浮城物語」では私も一回学会発表したことがあるのですが、…

渋江保の主権論・普通選挙論(森鴎外『渋江抽斎』 その百三 より)

二日間のごぶさたをお詫びします。デカルトには及ばないながら、寒い国への旅から帰って参りました。で、今回も小林秀雄ともデカルトとも関係のない話題です。 渋江抽斎の息子の保(たもつ)と、福地桜痴や島田三郎との関わりについて。 ※ 抽斎没後の第二十…

植木枝盛と矢野龍渓―岩波書店『植木枝盛集』より

日本最初の平和主義者植木枝盛と、日本で最初に「平和主義」の語を用いた矢野龍渓。 2023・7・3追記 「平和主義」という語を日本で最初に用いた例は、矢野龍渓以前にありました。まだ未確定ですが、それも植木枝盛である可能性があります。 接点があっ…